外国育ちのお嬢様は硬派がお好き

「ちょっと」
どかどかとその見知らぬ人の真ん前まで行き、両腕を腰に当てる。
大股開きで目の前に立った。

整えられた髪型はすっきりしていて仕事の出来る男を物語っている。
どっかの武将のようにソファーにふんぞり返る俺様な男。

だから嫌い、日本の男なんて!

「レディーがいるんだからもっと気を遣いなさいよ!」

私の放った一言に目を丸くする、変ないんちき武将もどき。

「・・・おまえ」
テーブルに投げだした足を下ろし、ソファーに浅く座り、大股に開いたその膝の上に腕を乗せたまま、下を見続けた。


「・・・バカなの?」

なんですと?

今、この私を目の前にして、バカと言いましたか?

「!なんてこと!」
「やっぱバカなんだな」

勝手に頷いて納得する男。そんなこと納得するんじゃないよ!

開いた口がふさがらないとはこういうことだ。

何がどうなったら女性に向かってそんな口がきけるのか。

信じられないカルチャーショック。

< 5 / 363 >

この作品をシェア

pagetop