東京
六。

久しぶりの学校は、少しむず痒い。

1ヶ月半ぶりに会う人や
普段大学の講師をしていてなかなか会うことのない担任がいたり、何だか新しい気持ちで
何でもできる気持ちになる。

昨日から家に泊まっていた真悟と教室に入ると、いい色に焼けた学生が顔を揃えていた。


そして少し痩せたような
あゆみの姿があった。


「あゆみ。」

『ばっち久しぶりじゃん!ごめんねぇメール!夏バテでめんどくさくなっちゃってさぁ』

バカ笑いしているけど
気を使っているのがひしひしと伝わってくる。


あゆみ。
お前はどんな夏を越してきたんだよ。


「結局話聞けなくてごめんな。今日放課後時間あるら?」


あゆみは一瞬ビクッとしたけど
またいつものように微笑んだ。

『いいの!もう済んだから。』

‥何が?

「みんなおはよう!」


半年ぶりくらいの担任の声が教室に響き、やむを得ず席につく。

顔色が悪い。
一番後ろから全員の背中を見る。手先が冷えるほど心臓が速くなり、何も耳に入らなかった。

< 63 / 97 >

この作品をシェア

pagetop