冬景色
雪の日に


冬の柔らかな日差しが注ぐ一角は変わらずそこにあった。

学生の頃から、迷いを抱えるたびにここを訪れた。


あの時もそうだった。

何が最善なのかと己の胸に問うためにこの席に座った。

柔らかい光に包まれながら、彼を好奇の目から守るため、

私の立場を守るためにも互いの心を抑えようと決め、彼にもそう伝えた。



25歳の女と16歳の少年の恋愛など、誰が認めるだろう。

彼と一夜を共にしたと打ち明けた親友でさえ、あからさまに嫌悪感を示し、

それは恋愛ではない、過ちだと罵倒した。

教師と生徒でなければ許されるのかと言ってみたが、

ありえないと言い放ち、さげすむ目で私を見た。



あれから5年、胸の奥で息づく彼への愛情が色褪せることはない。

時折すれ違う彼と視線を絡ませることはあっても、

言葉一つかけるでもない。

それでも幸せだった。





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