ぴあす

四月




桃色の花びらがヒラヒラ舞う。

入学式にはとても良い日。



「本当にいいのか?」

「うん、大丈夫だってば。
大事なプレゼン近いんでしょ?
お父さんは仕事優先して」

「すまないな。
じゃあ、次の休みに入学祝いでもしような」

「うん」



男手一つでわたしを育ててくれるお父さん。

今日だって、学校まで送る時間も惜しむほど忙しいはずなのに…



「お父さん、ありがとう。
じゃあ、行くね」


これ以上お父さんに迷惑かけられないからと、わたしは少し早めに校内に向かった。





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