気づいてよ…



「卒業したら会いに行こうと思ってる…」


「…遠くにいるんですか?」


涙声で言った柳瀬。


「俺が転校生ってこと知ってる?」


柳瀬は頷いた。


「幼なじみなんだ。赤ちゃんの頃からずっと一緒にいた。まだ気持ちは伝えてないけど」


柳瀬の頬に涙が1筋流れた。


柳瀬はそれを慌てて制服の袖で拭いた。


「ずっと好きなんですか?」


「気づいたら好きだった」


うん、気づいたら好きだったんだ。



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