気づいてよ…



「ずっと気になってるけど、知らない」


「…そうだよね。私も知らない」


父さんのことだけでなく、母さんがどうしてるかも知らない。


離婚してしまったのかどうかさえも。


「会いたいね…」


そう言った美都は目を閉じた。


泣いてるのかと思ったけど、そうではないみたい。


「うん、会いたい」


俺も小さな声でつぶやいた。


こう考えられるってことは、今の生活に少しは余裕が出てきたってこと?


少し前までは毎日を送るだけで精一杯だった。



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