気づいてよ…
「奏!!」
駅前のベンチに座っていた美都が俺に気づいて立ち上がった。
「合格&卒業おめでとう!!!」
周りの視線も気にせず大声で言う美都。
恥ずかしいけど嬉しいよ。
「…ありがとう」
俺は照れ隠しに小さくつぶやいた。
「さ…行こうか!」
心なしか緊張してる美都の声。
きっと俺と同じ気持ちなんだ。
父さんに会える喜びと、どうなっているのかっていう不安。
「そうだな!」
その不安を消すように2人で笑い合った。