気づいてよ…

美羽




退院した父さんと一緒に入った久々の我が家は、姿を変えていた。


といっても、建て替えられている訳じゃない。


ただ、庭の草の丈が伸びていて、家具にほこりが積もっている。


父さんが買い物に行ったから、俺と美都で掃除をすることにした。


「あれから誰も入ってない感じだね…」


美都が寂しそうにつぶやいたけど、聞こえないふりをした。


どんなに汚れていても、我が家は我が家。


なんだか居心地が良い。


家も、久々の俺たちの帰宅を喜んでくれている感じがした。



< 189 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop