たっぷりのカフェラテをあなたと


「でも……こういう気持ちを抱えるのも少し疲れたかな」

 緊張を解いた表情で私を見て、健吾さんの細い指先がそっと私の手の甲をなぞった。

 今まで感じた事のないようなジワッとした刺激が体に走る。

「僕は決して聖人君子なわけじゃない……魅力的な女性が目の前にいれば、当然惹かれる」

「……」

 私たちは無言で手を握り合い、その感触に胸を熱くさせた。

 神経が集中している指先はとても敏感で……健吾さんの指がスルリと私の手のひらをさする度に体がジュンと痺れる。

 これはもう……指でセックスしているような感覚だった。
< 26 / 57 >

この作品をシェア

pagetop