愛罪



 大真面目だ。

 嘘なんかじゃない。


 僕の命は、瑠海あってのもの。彼女が死を選ぶようなことがあれば、僕だって迷わず死を選ぶだろう。

 尤も、瑠海はどう思ってくれているかはわからないけれど。



「どうしたの」



 早く早くと急かす彼女の元へ赴いてみると、瑠海は無防備だった僕の手を掴んで弱い力でしゃがめと促す。

 なーに、と言いながら隣にしゃがみ込むと、瑠海は掴んだ僕の手を裏返してその手のひらに四つ葉を置いた。



「瑠海、また見つけたの?」

「凄い?」

「凄いよ。四つ葉ってね、すごく珍しいものなんだよ」

「めずらしい…?」

「そ。なかなか見つかんないの」



 僕がそう言うと、瑠海はまじまじと四つ葉を見つめたあと、優越感を滲ませた生意気な笑顔を貼りつけた。



「お兄、ありがとうはー?」



 何を言い出すかと思えば、この生意気娘め。



 とか何とか言いつつ、所詮その可愛さに僕は少しだって勝てやしない。

 にっと笑って僕の背中に回ると、瑠海はおんぶをせがむように僕の首に細い腕を回した。

 小さな命の重みが凄く愛おしくて、僕はくるりと体を反転させると無防備な彼女を抱いて立ちあがる。



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