はなおの縁ー双葉編ー
午後から友達と出かけてくると、母親に言って身支度を始めた。

この日は、やたら慎重に服を選んだ。

たいして着物を持っているわけではないが、普段着で行くのも少し気が引けたので、それなりのものを選んでみた。

母親にわからないように精一杯、おしゃれもして。

だって、男の人と外で会うなんて初めてのことだったし、何よりいつも気に掛けていた人からの誘いだったから、自然にそうなったのかもしれない。

でも、こんなことをしていても、この時のあたしには自分の彼に対する気持ちが見えてなかった。

とにかく、あの時のお礼をしなくちゃ、それしか考えてなかった。
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