はなおの縁ー双葉編ー
「ねえ、お兄ちゃんに伝えてくれる?来週同じ時間に同じ場所で待ちます。って」

「わかった、そう伝えるね。」

「あ、ちょっと待って。、、、はいこれ、今日のお駄賃。」

「え、いいよ、そんなの。もう兄ちゃんから先にもらってるからさ。」

「え?」

「お姉ちゃんは絶対にお駄賃をよこすから、もらっちゃだめだよって。」

、、、何か見透かされてる。

「でも、また言伝してもらうんだから、はい。」

と、渡した。

「これで何かお買いよ。」

次は素直にもらった。

「ありがとう、お姉ちゃん。」

ちょっとはにかみながら、そう言って、男の子は去って行った。

その姿をしばらく見ていたが、やがて今の状況が分かってきて、少し落胆した。

「あ~あ。今日はお預けかあ。」

そうは言ってみたけれど、なんだか楽しみが湧いてくる。

、、、、ほんとに、いい加減気づいたらいいのに、あたしってば。


< 17 / 92 >

この作品をシェア

pagetop