はなおの縁ー双葉編ー
すると、奥から、年配の女の人が顔を出して、佐脇さんに声をかけた。

この大人数を物ともしないでしゃっきりさばいている様な粋な感じの女将さんだった。

「あら！浩さん、後ろの別嬪さんはどなた？ちょいと紹介しとくれよ。」

「ああ、こちらは、沢　夏葉さん。あの沢医院のむすめさん。」

「ええ～！この子があの小町なの、、、。確かに噂になるだけあるわねえ。で、あんたが落としたの？」

と、耳元で話している。

ちょっと、聞こえてるんですけど。

「さあね、それよりおばさん。俺たち腹減ってるんだわ。何か食わせてよ。」

「あんた何がいいのさ？」

「俺はいつもの頼みます。それより、君は何が食べたい？」

いきなり振ってきたので、咄嗟に、

「えっと、あたし、おにぎりでいいです。」

そう答えた。
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