はなおの縁ー双葉編ー
「もう、ほとんど文句なしと言っていいかなあ?」

ざっとあたしのノートを見て言う。

「そうですか?なんだかまだ不安なところもあるんじゃないかと」

「どこ?」

と近寄ってくる。

「あ、はい。ここなんか」

と指し示す。

「うん?これねえ、でるかな。まあ一応やっておくか。」

、、、、、こんな感じで彼はずっとあたしを見てくれていた。

本当にありがたかった。自分一人じゃここまできちんとできていたかわからない。

「佐脇さん、ほんとにありがとうございました。あたし一人じゃここまでできていたかわからなかった」

彼は読んでいた本から目を離してあたしを見た。彼は微笑んでみせた。

「明日はどうするつもりですか?また勉強するの?」

と聞いてきた。

当然と思って、

「はい、最終日だからやっておこうかと。」

「あのさ、夏葉ちゃん。」

今はもう下の名前で呼ばれることに抵抗がなくなった。

最近、彼は言うのだ。

なんで俺を呼ぶときは苗字なの?と。
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