はなおの縁ー双葉編ー
「好きだ、、、」

と熱い吐息も混ざって彼はつぶやく。

彼の気持ちが解かったのと同時に自分の気持ちが解ってしまった。

どうして、あんなに彼の言葉に敏感になってしまったのか、彼の態度に喜んだり、切なくなったりしたのか、、、。

気がつけば、彼を考えない日は一日もなかった。

ああ、そっか、そうなんだ、そうだったんだ、、、、、。

彼の力強い腕の中で、ひとつ 息を吐き出す。

、、、、、そして、あたしは自然に彼を抱きしめ返した。

「!!!」

彼は驚いてあたしを覗き込んだ。

「夏葉ちゃん?」

「あたしも、、、あたしも好き、、、」

そうつぶやき、彼の胸に顔を埋める。

赤くなってしまった顔を彼に見られたくなかった。

「!、、、。夏葉ちゃん、、、うん、、、」

そう言って彼は、あたしの頭に軽く口付けた。

あたし達二人は、こうして互いの気持ちを確かめたのだった。

、、、、、鼻緒の縁じゃあ、ないけれど。



ー双葉編 完ー

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