Sales Contract
「千絵さん…?」
彼の息が耳にかかってくすぐったい。
「勝也くん…優しく抱いて。あと、あたしの名前もいっぱい呼んで。
今、すごく満たされたいの」
あたしがこんな風に甘えるなんて、何が起こったんだろう。
今日は朝からあんな夢を見たせいか、ずっと胸騒ぎがしていたんだ。
早く満たされたいって、ずっと思ってた。
それを言葉にするのは、予想以上にたやすいことだった。
「…こっちむいて?」
腕の力を緩めて見つめ合い、唇を重ねた。
一昨日のような強引さは無い。
とても優しくて落ち着いたキスだ。