17-甘い君たち-
笑い声が教室に響いて。少し間を空けて、安藤くんの視線が私をまっすぐに捉えた。
「あんなことしといて、俺、こんなん言える立場じゃないけどさ」
安藤くんが隣にあった机に指を置いた。私はその動作をなんとなく、見ていた。
「南緒が一番笑える場所に、行けばいいんだからな?」
私が一番、笑える場所?
「迷ったとき、挫折したとき、困ったとき、泣きたくなったとき。
そばにいてほしい奴のとこへ、行けばいいんだから」
安藤くんはそう言ってから、少し悲しそうな笑顔を作った。
「知らなかっただろうけど。
俺も本当は、南緒の事本気で好きだったよ」
そう、小さくつぶやいた安藤くんは、無理に笑ってた。
……本当はとても、優しい人。
「……ありがとう、安藤くん。」
いろんなことを、気づかせてくれたよね。私のためだったんだって、今ならわかるよ。
私の言葉に、安藤くんはにっこりと笑った。
_______本当に、ありがとう。
私が答えを出す勇気、もらったよ。