17-甘い君たち-
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ドクン、ドクン、ドクン
ジリジリと、窓の外で光り続ける太陽が、私を熱くさせている。最近寒くなってきたと思ったらまたこれだ。まだ漂う、夏の気配。
すっ、と。大きく息を吸い込む。
『大丈夫だ』って、自分に言い聞かせる。
だって私は、伝えなくちゃならない。傷ついて、傷つけなきゃいけない。2人が私に伝えてくれた分。私も、彼らにちゃんと伝えなきゃならないんだ。
ガラガラガラッ……
背後で開いた扉の音に心臓が跳ねた。もう、迷う時間もくよくよする時間もない。
伝える時が、やってきたんだ。
「……ごめん、ちょっと遅れた」
ゆっくりと、後ろを振り返る。
昼放課、あの時と同じこの部屋にきみを呼び出した。私のこの想いを、伝えるために。
振り返った先で。
_______翔太は、私の方を、まっすぐに見ていた。