17-甘い君たち-
________好き?
それは、幼馴染と、して?
「幼馴染としてじゃなくて。
俺らはずっと……ずっと南緒のことが、1人の女の子として、好きだった」
翔太がそう付け加えたことによって、幼馴染としてじゃないってことが明確になってしまった。
真っ白になった頭の中。
目の前の2人は、真剣な顔が崩されて「やっと言えた」なんて、恥ずかしそうに下をむいている。
……言葉が、出ないよ。
理解、できない。
________好き?
誰が?誰を?
この2人が、あたし、を?
幼馴染としてじゃなくて?
ひとりの、女の子として……。
「そ、それは……本気、なの?」
私の声に2人が同時にこっちを向いた。そして。
「「そうだよ。」」
息をつく暇もないほど瞬時に言われた肯定の言葉に、私はもうどうしたらいいかわからなかった。
だって。……だって。
私は。私はずっと、幼馴染だって。ふたりのこと、誰よりもわかってて、誰よりも一番近くにいて、誰よりも……誰よりも大好きで。
……そんなこといきなり言われたって、困るよ。だって、私たちずっと……仲良しな幼馴染だったんじゃなかったの?
「ごめんな……南緒。本当に、ごめん。
でも、もう隠すのは、やめにしたい。」
「俺らはずっと、幼馴染以上として、南緒のことが好きだった。」
「……そんなの、困るっ……」
思わず口からこぼれ出たその言葉。思わず顔をあげたら。
傷ついた顔をした2人が、私を見てた。
どうして______こんなことが言いたいんじゃなかったのに。
私たちは、今日、幼馴染のラインを越えてしまったんだ。