17-甘い君たち-
「まー、予想はしてたけどな……」
昨日、俺らは南緒に告白した。
もちろん、すぐに受け入れてくれるなんて思っちゃいなかったよ。きっとこれが南緒にとって普通の選択。そんなこと、わかってるつもりだった。
でも現実は、想像よりずっと辛かった。
南緒に拒絶されることがこんなに痛いだなんて、思ってなかった。
「何が楽しくてお前と仲良く登校しなきゃなんねえんだよ、クソ」
「それはコッチのセリフだ、尋」
なんにせよ、初めて南緒は俺らに何の連絡もせず、この朝の登校を断ったわけだ。
それは、南緒からの拒絶。
喧嘩したって、寝坊したって、毎朝笑いあってこの道を3人で歩いていたっていうのに。
俺らの『好き』が、いとも簡単に俺らの当たり前を壊した。
わかってたのに、壊してしまった。
「おい……やべえぞ、翔太」
「は?うるせーな……なんだよ」
「見るからに腐女子みたいな奴が、ついに俺と翔太がくっついたのかって話ししてたぞ……」
「……しね、おまえが」
「いや俺悪くないよね?!」
俺ら2人だけで学校に来てることが、そんなに珍しいか。
まあ、そりゃあそうだよな。だっていつも俺らの間には南緒がいたんだから。