【短編】ショートメッセージ
心がボロボロのまま仕事をこなし、私は帰路についた。

無理に笑い、人と接することに限界を感じていた。いい加減、過去の荷物を捨て、歩き出さなければいけないのに…

誰かに依存しなければ、生きていけないような自分に、正直、引いていた。

(メール、来なかった…)

たかがそんなことで、私は落ち込める。不安になることができる。自分が余りに無力であることを自覚するのだ。

なんとなく、遠くに行ってしまったあの人の目に映る自分が見えてきた気がした。

食事もろくに喉を通らない。事務的に、水は飲んだ。

(もう、寝よう…)

私はこの虚無感を拭えぬまま、眠りについた。

そんな日々が、もう一週間も続いていた。

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