共犯
共犯
泊めてと訪ねてくる那奈。私の返事は溜息と、ドアの解錠。
「ありがとう」
まあ、いつものことだ。そう思った私が間違いだった。
那奈の後ろから、ビール缶入りのコンビニ袋を下げた那奈の彼氏までついてきたから。
「ちょっと、彼氏まで泊めないわよ。ホテル行きなさいよ」
「なにもしないからさ、泊めてよ。お願い」
ビール買う金はあるのに、ホテルには行く金ないってか。
傍迷惑だけど、渋々招き入れた。
結局、三人でビールを開ける。
ほろ酔いになった頃、那奈が眠いと言い始めた。
私がベッドは譲らないわよと、クッションを投げるとそれを抱きしめて横になる。が、すぐにもぞりと起きあがった。
「……シャワー浴びたい」
「やめときなよ、酔ってるでしょーが」
「うん」と頷きながら、那奈は服を脱ぐ。
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