わたしの居場所〜もうひとりの居場所〜
コツン。

ノックする音がして…
母親が起きてるかと、声をかけてきた。

母さん、こんな夜中までどこに行ってたの!

母親がおれを睨みつける。

何言ってるの、頼まれたことちゃんとしてきたんだからね。

おれは、ほっとした。

もう大丈夫なんだ。
ちせは死なないんだ。

安心しすぎて…

それから自分が何を話して、母親が何て返事をしたのか覚えてなかった。

ちせのことでいっぱいの頭には、

もう何も入ってこない。


真っ暗な目の前に笑顔のちせが映る。

また…

あの笑顔の彼女に戻ってくれるんだ。
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