How to KISS
02
 「っん~」

いつぶりかなんて思い出すのも億劫なほど久しぶりに浴びる日の光(それも突き刺すイエローサン)に身体が思わず反応する。


今日一番にこの憎たらしいイエロー野郎に出会した瞬間は、煙草で地球まるごと包むほど大きな雲でも作ってやろうかと思ったわ。

私が煙草をくわえたことがなかったことが不幸中の幸いね。

これを期に喫煙者になってしまおうか。

答えは否ね。


 それにしても眩しい。
ああ、このイエロー野郎は久しぶりに会えた私に見とれているの?

そういえば、幼かったころ、あのイエロー野郎よりもずっと優しい色の瞳と髪を持った彼と、イエロー野郎の絵を描いたとき、彼はイエロー野郎をレッド野郎にしていたな、と思う。

どうしてそんな可笑しな色で塗るの?目が可笑しくなったの?それ何色かわかる?

と質問すると、彼はそのまんま私に同じ問いを返してきた。

どうして太陽を黄色でぬるの?と。

ああ、彼はなんと説明してくれたんだっけ。


 そんなことを思いながら、可愛らしくラッピングされた先程の展示会でもらったボンボンを乱雑に口に放り込む。

あら?
このウイスキーの香りには覚えがあるんだけれど…。


 beep beep beeeeep

そのホーンの音にビクッとなり(ああ、なんて恥ずかしいの)斜め後方を振り返る。

「…?」
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