小悪魔ちゃん

「いい加減白状しなさいよ!」


だから、知らないんだって……。

そう言っても信じてもらえない。


……どうしろっていうの。

あたしは何も……してないのに。


「アンタ、本当ムカつく……っ!」


こっちからしたら、無実のあたしを犯人扱いするあなたの方がムカつくんだけど。


……そんなことを思ってる間に相手の女が拳を振り上げた。


っ……マズい、殴られる……。


そう思って、咄嗟に顔を横に向けた……その瞬間。


「何だ?
まだ残ってるヤツがいるのか?」


教室の外から先生の声が聞こえた……。


「ヤバッ、先生だ……」

「逃げよ!」


三人の女子達は床に置いてあったカバンを手に取ると、そそくさと教室から出ていった。


「何なの……もう……」


……あたしは壁に背を預けたまま、ズルズルと力が抜けるように床に座り込んだ。


……本当に……あたしが何したっていうの。


何でこんなこと……。


……あたしは誰もいなくなった教室で静かに涙を流した。

< 37 / 71 >

この作品をシェア

pagetop