SEXしましょ
「バイトがあるから」

「バイトなんてしてたっけ?」

「昨日から始めたの」

「へぇ」と、興味を失ったような相づち。

「行ってくるね。四時間くらい働いたら戻るから」

頷く彼に、にっこりと笑って手を振った。

「またあとで」

私は部屋を出て、エレベーターに向かう。
押したのは一階ではなく、ひとつ下の五階。
目的地は、開いたエレベーターを出て、すぐ右側のドア。
インターフォンを鳴らすと待っていたとばかりに扉が開いた。

「いらっしゃい」

今の彼氏とは違う、しなやかな体躯の可愛らしい童顔の青年。
ひとつ年が下の高校時代の元カレ。

私は部屋に入って、その華奢な身体を抱きしめる。
後ろでドアの閉まる音がした。

「四時間くらいしか、いられないけど」

「充分だよ」
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