ひな*恋
ダメなものはダメなんです…!




「わわっ
着信3件に、メールまで…!」



翌朝。

昨日は仕事に入る前からずっとケータイはバッグに入れっぱなしだったし、帰ってからも特に取り出してディスプレイを確認したりはしなかった。



だけど朝になって顔を洗い、お母さんと朝ご飯を済ませた後、ふと思い出したように開いてみるとディスプレイには着信履歴が表示されていたわけだ。


しかも――…



(これみんな、慎吾くんからだ)



そもそも滅多に誰からもかかってこない私のケータイだもの。

ようやく最近になって活用できるようになったのは、慎吾くんのおかげでもあるんだよね。



だけど、このメールの内容はだいたい予想がつく。


ピッとメールの受信ボックスを押して開くと、私は昨日慎吾くんから着ていたメールを見た。





*****




Frm;慎吾くん

Sb;Re;


今日は何か用事があったのー?

明日は期待してるヨ!




***






「…………………」




実はあのファーストフード店で慎吾くんを見かけた日から、私は慎吾くんの家には行っていない。


特にあの日はショックだったのもあって行く気にはなれなかったし、昨日もそのままズルズル引きずっちゃって行かないままだったの。


何の連絡もしないで急にドタキャンするのは、悪い事だなとは思ったんだけど。

でも、そもそもいくら登校日だからって、私が来る事は頭になかったのかしら。



だからこれは、お互い様…だよね。





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