ひな*恋
ずっと目に障害を抱えながら、私を女手1つで育ててくれたお母さん。


そんな私が29にもなれば、結婚を心配するのは至極当たり前な話かもしれないね。



私が何も話さなかったのは、そういう縁がなかったのもあったし、ちょっぴり恥ずかしかったからってのもあったの。


だけどそれじゃあお母さんは、余計に心配するだけだもんね。




「…今度、お母さんにも紹介するよ。
でも、もうちょっとだけ先かもしれないけど…いいかなぁ」



今から出掛けるのは、盆子原さんとのこれからの為にケジメつけるだけ。


まだよく盆子原さんの事は知らないから、もう少しだけ2人でお話したりしたいの。


だから紹介は、その後になっちゃうんだ。




「もちろんよ。
さぁ、気を付けて行ってらっしゃい。
お母さんの事は、気にしなくていいからね」



「…うん。
ありがとう、お母さん。
じゃあ、ちょっと行って来るね」




13歳も年下の男の子と付き合ってたなんて、言えないもんね。


でも、高校生の息子さんがいる盆子原さんとの事を聞いても、ビックリさせちゃうかなぁ。


ごめんね、お母さん。

でも私、絶対に幸せな結婚するよ…。










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