ひな*恋
――ピカッ


空に稲妻が閃いた。



「いやぁーん!
落ちないで落ちないでー!!」



頭を覆うようにして身を縮めると、しばらく後にゴロゴロと雷の音が響いてきて思わず身体がビクッと震えた。



雨に濡れちゃっただけじゃなく、おへそまで取られちゃったらいやだもん!

お願いだから早く止んでーっ!!










「…あの、邪魔なんだけど」



「……………へ?」



降りしきる雨の音は相変わらずうるさいけれど。


どうやらこの辺りには落ちなかった雷に安心し、そっと目を開けて見た。

するとそこには、私を見下ろす男がまた1人いたのだ。




「そこ、どいてくれない?通りたいんだけど。
それとも、俺をここに閉じ込めたいとか?」



だけど今度はさっきのような中年男ではなく、髪も今時のチャラ男の如く茶髪にM字バング。

そしてボタンを開けて胸元を広く見せた白い半袖のカッターシャツに黒いズボン姿は、おそらく制服だろうから高校生ってところだろうな。





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