ひな*恋
ようやく注文したもの全てを平らげ、思わずホゥ…と息をついた。


時計を見るとお昼を過ぎた所で、ランチ目的で来たお客さんが増えてきた。




「ごちそうさまでした。シェイクもチーズも、ホントに美味しかったです。今日はありがとうございました」



仕事に行くまではまだ時間はあるし、別に用事もないんだけど。

でも今日の予定であったランチも終わり、一応これで目的は達せられたわけだ。



まさかこんな年になって、高校生の男の子とランチをする事ができるだなんて夢にも思わなかった。


学生時代から男の子に縁もなく、今じゃ恋愛対象としても外れてきた見た目のせいで、今後も一生独身人生を歩む事になるんだろうなと思っていたからなぁ。



「それじゃあ…」



…何か、夢を見させてもらったって感じ。


若い男の子とデート。

ちょっぴり名残惜しいけど、もう現実に戻らなきゃね…。





「え?
もう仕事行く時間?」



「あ、いえ。
でも仕事前に、一度家に帰るので」



「だったら、近くまで送るよ」



「…ありがとうございます」






…もう少しだけ、私は夢の続きを見る事が出来そうだ。





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