曼珠沙華


階段を駆け登り
予鈴が鳴る迄
時間を持て余す


微かに荒い息を吐き出す安島が
頬を赤く染め


「日高 紫乃
 俺の幼馴染だ
 可愛いだろ」


自慢げに 笑い
そして 僅かばかり
不機嫌な顔になる


「最近 避けられてる気がする
 やっぱ照れ臭いんかな
 小学校の頃は
 よく遊んだのにな」


純朴なのか
鈍感なのか


安島には
化粧をする日高が
幼い少女のまま


時が止まっている気がした


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