曼珠沙華


何ひとつ
優れた要素のない僕は
クラスの中でも
目立たない生徒



たまたま
中学の入学式に
偶然 隣りの席になり



「何処の小学校?」



声を掛けてきたのは
安島の方で
地元の小学校ではないと
答えた僕を



見捨てられなかった
だけなのだろう


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