月詠姫〜癒しと鬼一族編〜
「でもさ、冬の桜って…なんか神秘的じゃない?」

「そうだな…」

「…」

伊織の言う通り、冬の桜は綺麗だ。白とピンクのコントラストがいい具合に溶け合っている。

「なんかさ、吸い込まれそうだよね…」

「「あぁ/うん…」」

私達は桜の木に吸い込まれるように、近付く。そしてー…

ピカァーー…

私達は、その場からいなくなった…



「ん…」

目を開けると、そこは暗闇だった。ただただ真っ暗で、何も見えない暗闇…

「拓真ー!!伊織ー!!」

二人の名前を呼んでも、返事がなかった。もしかして…死後の世界…?と思った次の瞬間…

ポゥ…

「な、何!?」

私の周りにビー玉くらいの8つの光が現れた。光はだんだん小さくなり、私の鎖骨の間に入り込む。

「…っ!!あ、つい…」

急に鎖骨の間が熱くなり、私はそこで意識を失った…



ー…時が来た…さぁ、今こそ世界を救うのだ…"月詠姫"…ー

チリンッ!!

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