月詠姫〜癒しと鬼一族編〜
夢を見た。まだ私が幼い頃…お母さんとお父さんと私で月夜公園で遊んでいた。

ブランコ、すべり台、ジャングルジム、砂場…その日は一日中遊んだ。私は楽しかったー…

でも、当たりが急に真っ暗になった。周りは誰もいなくなり、私だけになった。私は悲しくなって泣き出した…

そこで夢は終わったー…



「…ん…」

目を覚ますと、見慣れない天井が目に入る。若草色の畳、障子、屏風、そして襖ー…全てが古風な感じがした。

ガラ…

「あら…お目覚めになりました?」

「…ここは…。うっ…」

「起き上がらない方がいいですよ?まだ足首の熱が下がってないですから」

そう言って女の人は、襖をしめながら私に言った。足首が熱い…

「あの、ここは…?それに貴女は…?」

「ここは"幻影館"…東楼国の料亭です。私はここの仲居のリーダー、妙と申します」

幻影館に東楼国…?聞き慣れない言葉ばかりだ…
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