月詠姫〜癒しと鬼一族編〜
「何かあったの?」

「明日、おじいちゃん隣村に朝から配達でいないの。だがら私が1日店番しなきゃいけなくて…」

「そうなんだ」

どうしようかなぁ…守護者達は忙しいと思うし…蘭さんは店番があるし。

「じゃあさ、花を連れてけば?」

「花ちゃん?」

「うん、明日って確か蛍は定休日だったと思うし…」

そうかぁ、花ちゃんね…花ちゃんと仲良くなれる機会だし。

「じゃあ、俺行くからよ!!この後配達があるんだ!!」

「小さいのに大変だね」

「8人兄弟の長男だからさ、母ちゃんも亡くなって…兄ちゃんも3年前の大豪雨の時に亡くなって、稼げるのが俺と父ちゃんしかいないからさ」

「…寂しくないの?」

「全然!!今の方が楽しいし!!後で、花に言っとくよ!!じゃーな!!」

そう言いながら、空君は走って行った。その背中は小さくて、私は泣きそうになった…

「空のやつ、あぁ言ってるけど、本当はすっごく寂しいの。泣きたいんだよ。でもいつも泣かないで頑張ってる…私達も見習わなきゃね!!」

「そうだね…」





ここは原田財閥の屋敷ー…一つの部屋に、原田財閥の御曹司・原田正也と執事の黒崎がいた。

「明日、月詠姫と会ってくる」

「あまり無理なされますな」

「大丈夫だって。部下の奴らに行かせるから」

「正也様…まさか」

「あぁ…あいつを、俺の奴隷にする」
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