青空に届け

「ずっと探してたから」

急に私から視線を逸らした
青空くんはまっすぐに前をみながら
少しだけ切なそうに寂しそうに
そう答えた。

「俺はsoraを探してた。
 初めてテレビでsoraを見た時に
 すっごーく格好良くて
 俺はsoraに会うために芸能界に入ったんだ
 でも俺がデビューしたと同時に  
 soraは姿を消した」

探してた?
私を?
でも、私は…

“私はもうsoraじゃない
 それに、歌えない”


「なんで?
 どういう理由で声が
 出せなくなったのかは
 分からないけど、
 きっとまた歌える時がくるよ。」


違う、違う。
私は歌えないわけでもないし
歌いたくないわけでもない。

“私は歌っちゃだめ”

その私の言葉を聞くと
青空くんは顔を苦しそうに
歪めた。




“ごめんね。もう歌えないの
 それとこの話はもうしないで
 誰にも私がsoraだって言わないでね
 じゃあ、私先に帰るね”












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