イタズラ ~TABOO~




 たっくんの瞳がまっすぐ私を見る。


 動けない。


 たっくんは私の腕を掴むと、ぐっと力を入れ、私を引き寄せた。


 振りほどけない、強い力だ。


 「俺だったら、先輩にそんな寂しい顔はさせません」


 たっくんの大きくなった手が私の頭を優しく撫でた。


 「俺じゃ、ダメかな?俺、もうあの時のかわいいたっくんじゃないよ」


 私を見つめるたっくんの瞳に酔いそうなる。


 私は首を振ると、たっくんの唇に自分の唇を重ねた。




< 16 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop