Hurly-Burly 5 【完】

***


おまけ




帰りは永瀬姉弟が恐ろしく周りを警戒していた。

マミーの誕生日プレゼントは可愛いうさぎさんの

アプリケットが付いたエプロンで決定されたわけだが、

今後のことで不安が募るばかりです。

「ひーちゃーんっ!!」

「な、何だ!?」

帰るなりいきなり飛びついてくる癖を何とか辞めさせないと!!

「帰りに靴紐が切れて・・・ひーちゃんに何かあったんだと

思って心配で居てもたってもいられなかったよ!!」

「そんなことで泣くな。」

ほら、見たまえ。修平君とサユがドン引きしているではないか。

良い大人なのだから慎みたまえ!!

「それでね、兄ちゃん呼んじゃった!」

「うぇー!!」

な、なっ、何で居る!?

リビングからゾロゾロと顔を出すさっき学校で

バイバイと言ったはずの彼らが居る。

「おら、無事だったろうが。帰るぞー。」

慶詩の間の抜けたような声がリビングからした。

「ど、どど、どういうことだ!?」

ニンマリ笑ってる我が兄に殺意が芽生えそうだ。

「でも、透真さん。日和、危なかったのよ!

見知らぬ男に殴られそうになったんだから。」

なっ、サユちゃんそんなことわざわざ言わんでいい。

「な、な、何だと!?俺のマイスィートエンジェルを!!」

兄ちゃんにひしっと抱きしめられた。

「い、痛いのだが!」

この人、大げさすぎるのだよ。

「どこの馬の骨だ?」

えっ、ちぃ君それジョセフィーヌが齧ってた骨!!

お、折ってしまうほどの何かがあったのか!?

それ、絶対に折れないぐらい太い骨でジョセフィーヌ

のお気に入りのおやつだったはず!!

粉々に粉砕された骨を見てギョッとして居たら、

ジョセフィーヌが一瞬悟ったような顔をしてすぐに

悲しそうに骨を見つめるのだった。

「ヒヨリンを殴ろうとするヤツなんか俺が殴りばしてやっからな!」

「いや、物騒なことを言うで無いよ。」

ナル君、たまに過激だよ。

可愛さ100%の君からの発言とは思えん。

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