Hurly-Burly 5 【完】
よ、美男、どうした!?
「よっちゃんの心の変化には一体何があったのだろうか?」
ハンカチを取り出して涙を拭う真似をしてみた。
「あ、やべっ、これ美男の卒アルだったし。」
ももっちが間違っちまったぜといいながらも、
7:3分けだったよっちゃんを見てブハッと笑った。
今のアフロが確立する前はこんな姿だったのかと
思うとよっちゃんに似合う髪型はアフロしかない。
こんな、よっちゃんだったらあたし毎度吹き出してた。
「これ、罰ゲームだったんだよ。」
「よく了承出来たものだな?」
よっちゃんが頭を掻きながら苦い思い出だったよなと呟いた。
男子校だったというのはどうも本当らしい。
見事に男しか写真に写ってなかった。
ちょろっと女の先生が登場したりもあったが、
ほぼ男だらけのムサ苦しさに胸焼けを起こしそうになった。
「じゃなくて、こっちが本命だ。」
ももっちがゴソゴソ取り出してきたのも
アルバムのようなもので表紙には何も
書かれて居なくてはて?と思いながら1ベージ捲った。
「えっ?」
去年の夏に行った海の写真に文化祭の写真、
体育祭のもあるし、何気ない日常で取った
写真もあって七夕だって試験勉強期間のだってあって感動した。
「ほら、思い出一緒に作ろうとか言ってただろう?」
あたしは、口ばっかりで本当に何も出来てない。
こうやって、周りにいつも背中を叩かれないと
気づけないで居る。
「覚えてたのか?」
「ヒヨリン、忘れてたのかよ?俺ら、めちゃくちゃ
楽しい思い出ばっかなんだぜ?」
去年はすげー楽しかったもんなといいながら笑う、
ももっちにとても心が温かくなった。
あたし1人で突っ走り過ぎてないかなとか、
あたしだけ楽しいと思ってて、実はみんな
付き合ってくれてるのかなとかネガティブに
考えることも多々あった。
「あ、あたしも楽しかったぞ!」
だから、あたし以外でもちゃんと楽しいって
思ってくれてたことが嬉しかった。