Hurly-Burly 5 【完】

いよいよ、約束の日が近づいてきている。

『日和様、当日のお召し物はこちらの方で用意させて

頂きますが、何かご心配などはありませんか?』

パーティーの招待状が来てすぐに大和さんから電話が

掛かってきて不備があるかどうか問われた。

「いいえ、大和さんにお任せします。こういうことは

慣れてないから不安は多いけど、大和さんは信頼してます

から当日も、サポートの方何卒よろしくお願いします。」

これほど、大きなパーティーを開くとなるとみんなに

知られるのも時間の問題かもしれない。

ここに行けば、分かることもあるかもしれない。

行かないことには何も始まらない。

企みに乗るのは癪だけど、一ノ瀬を改革すればいい。

今の一ノ瀬をぶち壊してやる。

日本の情勢を握っている大企業が何だって言うの。

そんなものに最初から飲み込まれる気はないわ。

戦ってやろうじゃない。

もうどうせ立ち止まってる暇なんてない。

あたしが進む先にあるものと対峙する。

これがあたしのやり方だと思うから自信を持とう。

自分に自信さえあれば乗り越えていける。

あたしはそういう人間になるって決めてた。

どんな時でも自分を信じて突き進む。

『日和様、本当によろしいのでしょうか?』

ただ一つだけ気がかりなのは四季さんとの約束だ。

破ることになるかもしれない。

そっと首元に掛けてあるチューリップのネックレスを

包み込むとホッとした。

「うん、これから忙しくなるけど大和さん以上に

信頼している人はいませんからあたしに着いて来て下さいね?」

『御意』

この先のことは不安だらけで戦うって言ってもどうしたら

いいのか分からないし、金持ちの世界なんて絶対に合わない。

『どこまでも貴女にお供致しましょう。』

その言葉だけであたしの不安なんて吹き飛ぶものだ。

1人で戦うわけじゃないもの。

しっかりやってやるわ。

「大和さん、それで20日はどうしても外せない用事があるの

だけども・・・・駄目かな?」

『構いませんよ。こちらで準備はしていますし、挨拶の言葉も

作成したものを読んで頂ければいいですからね。』

秘書っていうのは本当に大変な仕事だと思う。

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