ソウル◆チューン
輪廻転生~始まり
ジメジメとした薄暗い洞穴に女とも男とも判断出来ないうめき声が断続的に響いていた。

「…あぁ…口惜しや…忌々しき人間共め!」

洞穴の奥、仄かに明るい広場の様な場所に左腕の肩から先を失なった女が、呪詛の言葉を吐きながら、グチャグチャと音をたてて取り戻した左腕を付けている。
右手では獲物を掴み、噛み砕いていた。
切り取られた左腕の傷口を塞ぐ為に栄養を取っているのである。
驚異的な早さで傷口が塞がっていくが、ダメージの回復は完全には出来ない。
女は左腕が再生されると、フッと顔をあげ、その掌を自分の腹に当てた。

「…そう…そうなのね?…アナタ、私は眠りに就くわ…そして必ずや一族の怨み、晴らしてみせる…!」

艶然たる微笑みを浮かべ、血に染まった着物を優雅に翻して洞穴の奥へと消えていった―
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