メガネ男子と屋上で。


私は翌朝下駄箱に向かった

「!」

上履きの中に画ビョウがあった

「おはよう…かんなさーん」そこにはニヤッと笑った舞子がいた

「さーあ…今日はどうし…」

「ごめんなさい!!」


私は舞子に深く頭を下げた

「…な…っ」



「今まで私は舞子をいじめてきて、楽しいと思ってました…でも…自分がいじめられると…とても…ツライです…舞子もそんな気持ちだったよね…」

「…」

舞子は驚いている

「もうしません…もうしません…絶対にしません!もうこれで許してもらえるなんて思ってません!」

「…本当に…ごめんなさ…」
舞子は私に抱きついてきた

「私も…ごめんなさいね…あなたをいじめて…私の苦しさを知ってほしかった…」

「…あ…」光山がこっちをみている


「でも…いじめは…誰かがやめないと終らないもんね…」


「うん…」

私はつぶやいた

「…さようなら…」

「うん!」

私はこの舞子の『さようなら』の意味をあとから知っておどろいた

翌朝になり、ホームルームがおわった
「あ、今日菅野舞子さんは、お父さんの都合で、アメリカにいきました…本人もあいさつができないことを悲しんでおりました…で、以上でホームルームをおわりまーす」


「!!…」
私は驚いた

私は休み時間になり、屋上へ向かった

「ちょっと…!」


「お?よぉ…」


「舞子…っアメリカに行っちゃった…って…」
私はなぜか泣きそうになった

「…おぅ…」


「『おぅ』って…!悲しくないの…?」


「いや…悲しいよ?」


光山は私のほうをむいてニカッと笑った
だが、その笑顔はなんだか悲しそうにみえた


「…でも今は…」

「…ん?」


「美川がいるからいいや…っ」

光山はまた笑った
この笑顔は本物だったようにみえた


(初めて私の名前よんだ…)私はとたんにうれしくなった


「おい…顔赤いぞ…平気な?」

光山はキョトンとした顔で言ってきた


(…鈍感…?いや…天然?)

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