I am … 【完】




「もう終わたからね、大丈夫…」



長い長い苦しみから解放され、恐る恐る腹部に手を当てる…



卵巣を摘出してからは、お腹の膨らみも殆ど無くなって妊婦と分からないお腹だったけれど、なんだかとても軽くなって…もう、カラッポなんだな…と思い知らされる…



「うう…うっ…」



一気に涙が溢れてきて、止めようとしても止まらない…



苦しくて


苦しくて


声を殺して涙を流す…




「もっとちゃんと泣きなさい!!」



隣で私の様子を見ていた主任さんが怒ったような声で…でも優しい眼差しで言った…



「あぁーーー!!うえっうぅーー」



堰をきったように嗚咽がこみ上げた…



泣いてもいいの…?


私が…この子を…殺したのに…





広瀬さんが手を握って背中を擦ってくれる



子供みたいに大声を上げて泣くのなんていったい何年振りだろう…



「あ、赤ちゃんは見せてもらえますか…?」



涙交じりに主任さんに懇願する



「勿論、ちゃんと赤ちゃんに会ってあげないとね」



主任さんと広瀬さんは少し悲しそうに笑っていた…



病室で赤ちゃんと対面するため、なんとかベッドに移り移動させてもらう



いつの間にか広瀬さんの手を握り締めていて、手にはくっきりと爪の跡が残ってしまっていた。



「すみませんでした…」



かなりの醜態を晒してしまい少し恥ずかしい…




< 130 / 208 >

この作品をシェア

pagetop