あたしたち別れましょ。


「だって、あの時普通に話しかけてきたじゃない…」



記憶の中でのあの時、正樹は軽いノリで声を掛けてきた。



「表では普通にしてたけど、あん時緊張しすぎて汗ダラダラだったんだからな」



「…知らなかった」



「知られたくなかったからな」



「……」



「覚えてる?ここらで告白したんだよな」



「…そういえば」



外に視線を向けると大手の会社の大きな広告の看板を通過する。

あの時もあたしは外の景色を眺めていて今とは違うけど大きな看板を見ていた。


そして、告白された。



「あの時も緊張したよ」



「…噛んじゃってたもんね」



「『すっきゅです』だろ?言った本人ですらは?ってなったよ」



「あたし意味分かった瞬間、つい大声で笑っちゃったよ」




『あ、あの美幸ちゃん』



『ん?なに?』



『すっきゅです』



『え?』



『は?』



『……どういう意味?』



『えっと…好きです!ってこと』




あたしたちが恋人として始まったあの日。


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