あたしたち別れましょ。

「付き合ってから途中まで２人で学校行ったよな」



「行ったね。帰りも時々一緒に帰ったね」



朝は電車が一緒だから途中まで一緒に登校したけど、帰りは時間がバラバラだしお互いバイトをしていたから時々しか一緒に帰ることはできなかった。



あたしの学校の前に着くと、正樹はあの頃のように門に寄り掛かった。




「門で待っている正樹の背中を見る度にすごい嬉しかったな…」



一緒に帰る時はいつも迎えに来てくれた。


「結構他校の門に立っとくの恥ずかしかったんだぞ？」



「そういえばいつも顔を真っ赤にして待ってたね」



「まぁな…」



そう言う正樹の顔はあの頃と同じくらい真っ赤になっていてつい笑ってしまった。



「笑うなよな」



「ん、ごめんね」



あの頃と一緒。


正樹が恥ずかしがって、あたしがそんな正樹を見て笑う。



でもあの頃と違うのは手を繋がなくなったこと。



「…じゃ、行くか」



「うん」



また２人でゆっくり歩き出す。