戯れる堕天使
考える。

痛みを紛らわすには、それしかなかった。

背中に受けた衝撃。

・・・だれかに、突き飛ばされたのだ。

コツコツと、足音がした。

近づいてくる。

でも、なぜか、目が開けられなかった。

降りてきていた足音は、踊り場で止まった。

こっちを覗き込んでいる気配。

薄く笑みを漏らした音。

しゃがみこむ。

首の、ネックレスに触れた。

反射的に、クロスの部分を掴んだ。

手は無傷のようで動いたけれど、その動きのせいで、痛みが走った。

うめく、自分の声。

チェーンがすごい力に引っ張られて、切れた。

首から引き抜かれる。

摩擦で首が焼ける。

じゃらっと、そばに落される音。

それから、急に、そいつは走り出した。

下へ。

< 44 / 55 >

この作品をシェア

pagetop