可憐な華にくちづけを





部屋に入るなり彼は私を抱き寄せた。



「っ…!せいじっ!!」



いくら抵抗しても男の力には敵わない
さらに倍の腕の力。






「……聖司、離しなさい。」



出来るだけ落ち着いた声で、



今の彼には何を言ってもダメな気がするけどね?








「…きーえちんっ、」






弱々しい掠れた声が私の耳に聞こえた

こんなにも泣きそうな疲れはてた声は
聞いたことがあったかしら…?





「…聖司?」











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