恋の魔法に
「んー、ダメでした」
「そうですか……お疲れ様です」
笑って返そうとしたが口角がうまくあがらなくて、無表情で答えた。
先輩、ごめん。
今は笑えない、です。
俺のことも聞かれるよな……
今日の大会どうだったの? って。
聞くかな……
黒目がちなその大きな瞳に見つめられるとなぜかそらせなくなる。
「結城くんそんな薄着で寒くないの?」
寒さのせいなのか目が少し潤んでいる。
頬も赤く……とまではいかないけどほんのり桃色に染まっていた。