恋の魔法に



「うん。寂しかったよ」



にやりと笑って結城くんを見てみると不意をつかれたような顔して私を見ていた。



その顔はだんだんと赤く染まっていって、顔を反対方向に向けても赤い耳だけは見えていた。


え、やだ。
可愛すぎるんですけど。

結城くんが照れてるーっ!



「……そんな可愛いこと言わないでくださいよ」



かっ、可愛いって……っ!
君の方が可愛いってば!!



「うわー俺、思ってた以上に先輩のこと好きだー…」


「なっ、何言ってんの……」




ぼそっとひとり言のように吐いた結城くん

サラッとそういうこと言えるってなんかすごいね。


じんわりと胸の奥が熱くなる。
魔法みたい。

好きっていう一言なのに。
魔法の言葉だね。



私も好きだよ。




< 221 / 255 >

この作品をシェア

pagetop