恋の魔法に



「へ、返事は今すぐじゃなくていいです。待ってます」


結城くんがしょっていたラケットケースからラケット同士のぶつかる小さな音が聞こえた。

なんか……もうこれ結城くんの音だ。

結城くんが私を好き?
先輩として好き?
……じゃないよね。そんな雰囲気じゃなかったし。
すごく真剣な顔だった。


結城くんが乗るとすぐにバスは発車した。
顔は見れなかった。

手の中には大好きなココア。


「好き、って……」


今日はクリスマス。

今日、可愛い後輩に告白されました。


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